1994 年 1994 巻 41 号 p. 47-49
茨城県つくば市の農業研究センター圃場で栽培されていたツルマメに, 根の皮層部が褐変腐敗する根腐れ症状が発生した。病患部からはツルマメとダイズの双方に病原性を有する糸状菌が高率に分離され, 形態的および生理的研究の結果, Calonectria crotalariae (Loos) Bell et Sobers〔不完全世代: Cylindrocladium cyotalariae (Loos) Bell et Sobers〕と同定された。本菌によるツルマメの自然発病が観察されたのはこれが最初と考えられる。将来本菌によるツルマメの根腐れ症状に病名を付す場合には,「黒根腐病」とするように提案する。