1998 年 1998 巻 45 号 p. 109-111
埼玉県において栽培されている挿し芽繁殖のわい性リンドウのモザイク症状株から長さ約750nmのひも状ウイルス粒子が検出され, 単一病斑分離法によりNo. 4及びO-17分離株を得た。CIYVV及びインゲンマメ黄斑モザイクウイルス (BYMV) に対するモノクローナル抗体 (Mab) を用いたTAS-ELISA及び金コロイド―免疫電子顕微鏡法により, No. 4分離株はCIYVVに特異的なMab及び両ウイルスに共通なMabと反応したが, BYMVに特異的なMabとは反応しなかった。O-17分離株は両ウイルスに共通なMabとのみ反応し, CIYVVあるいはBYMVに特異的なMabとは反応しなかった。No. 4分離株をリンドウに戻し接種したところ, モザイク病徴が再現された。以上の結果から, No. 4分離株をCIYVVの一系統と同定した。O-17分離株もCIYVVの一系統と考えられるが, 両系統間の異同についてはさらに検討を要する。