抄録
静岡県浜松市内のキクから採集したミカンキイロアザミウマに同市のキクから分離したTSWVを獲得させ, Wijkamp and Peters (1993) の方法に準じペチュニア葉片を用いて成虫のTSWV媒介率を調査した結果, 媒介率は14~49%であった。雌雄別の媒介率は雄が雌より高い傾向であった。ペチュニア葉片で判定した媒介率とモノクローナル抗体を用いたDAS-ELISA法による保毒率との適合性について検討した結果, DAS-ELISA法でもおよその媒介率を把握可能であった。ミカンキイロアザミウマ幼虫の媒介率は成虫と同程度で, 幼虫期の後半から媒介を開始した。