1999年に長野県のスイカ育苗施設で子葉および本葉に黒褐色不整形病斑を呈する病害が発生した。その後, 露地栽培のスイカ果実に暗緑色から黒褐色で亀裂を伴う不整形大型病斑が形成される症状が確認された。いずれも罹病葉からは見かけ上類似した細菌が高率に分離された。接種により, 分離細菌はスイカ苗の本葉に黒褐色不整形病斑を形成した。この細菌を果実へ付傷接種すると, 果皮に水浸状斑を形成し, 接種部位から細菌泥を漏出した。スイカ果実汚斑細菌病菌の簡易同定法に従うと分離細菌は Acidovorax avenae subsp. citrulliと同定され, 長野県におけるスイカ果実汚斑細菌病の初発生が確認された。本病に対し5種薬剤の防除効果を検討したところ, いずれも防除効果が認められた。