抄録
マイクロ波による土壌消毒技術開発のため, 土壌中のホウレンソウ萎凋病菌に対するマイクロ波照射の影響を室内条件下で調べた。培養したホウレンソウ萎凋病菌M2-1 (nit 変異株) を接種した中央農研内圃場土壌 (クロボク土) をビーカー (200ml) に詰め, 500Wの電子レンジにより加熱処理を行った。この結果, マイクロ波照射により土壌中の糸状菌数, 細菌数は減少した。しかし, 処理土壌量が多く, 照射時間が短い場合のみならず処理土壌が少量 (50ml) で長時間照射 (10分) の場合にも生存菌が認められた。次いで, 圃場条件下での土壌消毒効果を明らかにするため, ホウレンソウ萎凋病菌M2-1 (nit 変異株) 接種圃場において試作マイクロ波土壌消毒機 (トラクター連結サブソイラ型または深耕ロータリー型) によるマイクロ波照射を行い, 発病程度を調べた。この結果, サブソイラ型では, 防除効果が不十分であったが, 深耕ロータリー型では, ホウレンソウ萎凋病の発生を抑制できた。しかし, 現実的な消毒のためには器機の更なる改良と土壌条件等の処理至適条件の明確化が必要である。