抄録
2005年, 栃木県南部のネギ栽培で葉身に退緑斑やえそ条斑症状が発生し, これらの罹病葉からアイリスイエロースポットウイルス (IYSV) が検出された。本IYSVネギ分離株 (Na6-3) を保毒させたネギアザミウマによる接種試験を行ったところ, ネギでの原病徴が再現され, 本病徴はIYSVが原因であることが明らかとなった。現地ネギ圃場でのえそ条斑症状の発病株率は0~82%, IYSV保毒虫率は8~41%であったが, えそ条斑症状の発生と保毒虫率との関係は判然としなかった。本ネギ分離株のN遺伝子領域の塩基配列はオランダで分離されたIYSVNLと高い相同性を示した。