関東東山病害虫研究会報
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キュウリ褐斑病の発病と農業用資材および罹病残渣に存在する分生子との関係
宮本 拓也冨田 恭範神原 幸雄皆藤 昌彦
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2007 年 2007 巻 54 号 p. 9-12

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抄録
茨城県の施設栽培キュウリで多発生し問題となっている褐斑病のハウス内における病原菌の伝染源について検討した。促成栽培開始直前の現地キュウリ栽培ハウスにおいて, 各種農業用資材における分生子付着数を調査した結果, 灌水チューブとキュウリ株上のワイヤーで多数の分生子が確認された。ワイヤー上の分生子は発芽力および病原性を保持していた。次に, ワイヤー上の分生子および本病の罹病葉が, 次作での発病に及ぼす影響について検討した結果, 分生子を付着させたワイヤーをキュウリ株上に設置した試験区での発病は, 無処理区と比較して高く推移し, 罹病葉をすき込んだ試験区ではワイヤー設置区よりもさらに高く推移した。以上のことから, 褐斑病菌は罹病残渣や畝上のワイヤーで残存し, これが次作への伝染源になっている可能性が示唆された。
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