2008 年 2008 巻 55 号 p. 155-158
千葉県におけるコナジラミ類に対する化学合成殺虫剤の活性を把握し防除に活用するため, 県内4市町4作物からタバココナジラミバイオタイプQの5個体群の成虫を採集し, 県内のバイオタイプBの1個体群およびオンシツコナジラミの1個体群とともに感受性検定を実施した。バイオタイプQでは, ジノテフラン顆粒水溶剤, ニテンピラム水溶剤およびピリダベンフロアブルの3剤の常用濃度で, いずれも高い殺虫活性を示した。しかし, 常用濃度を4倍希釈 (ピリダベンは8倍希釈) して処理した場合, ジノテフランおよびニテンピラムでは個体群間で死虫率に差が認められ, 特にジノテフランでその傾向が顕著であった。また, バイオタイプQにおけるイミダクロプリド水和剤およびピメトロジン水和剤による殺虫活性はやや不十分ながら認められたのに対し, エトフェンプロックス乳剤はいずれのバイオタイプQ個体群に対しても全く活性がなかった。バイオタイプQにおけるジノテフラン, ニテンピラムおよびピリダベンのLC50値はバイオタイプBにおける値よりも顕著に高く, オンシツコナジラミと同程度であった。