抄録
奥田(2014)は、小学校低学年で、問題になることが多い「どなり声」の解消法として「適切な声量での地声による歌唱」による歌唱指導を提案したが、これは先行研究を再考したことによる提案であり、具体的な指導法やその有効性については踏み込んでいない。そのため指導法の研究に先立ち、この提案の有効性を明らかにする必要があると考えた。そこで本研究では、まず、小学校高学年を対象とした(地声発声)について音響学の視点から音声分析を行っている山内(2007)のレビューを行い、その成果を踏まえた上で、小学校低学年における、適切な声量での地声による歌唱についてピッチを観点とした音声分析を行った。