抄録
モビリティ・マネジメント教育(以下「MM教育」と略記)は、モビリティ・マネジメント(以下「MM」と略記)の有効な手法として注目されるとともに、社会科教育の立場からもシティズンシップ教育の一手法として注目を浴びている。しかし、MM教育は総合的な時間などで単発的に実践されるに留まっており、その効果が限定的になっている。そこで、MM教育の実践の前提となる児童の交通に対する認識を明らかにすべく、乗り物の利用機会の増大、知識の蓄積、興味・関心の動向を韓国コンジュ市の小学生に対する質問紙調査等で分析した。その結果、先行研究が示唆する、交通機関の利用頻度・利用経験と興味・関心との相関は弱く、教科書や授業の内容と児童の興味・関心との対応の再検討の必要性が浮き彫りとなった。