本研究は、TAPを実践している2名の教師が、TAPに対してどんな関心があり、どう認識しているかをヒアリング調査した結果から考察しまとめたものである。その結果は① TAPに関心を持った時期はTAPと出会った初期段階であり、管理職という視点とTAP体験から関心を持っている。② TAPは学級でのアイスブレキングと縦割りでの活動として導入していることがわかり、学級活動や授業で安心して過ごせる環境づくり・失敗を恐れずに挑戦できる雰囲気づくり・仲間づくりとして有効であることがわかった。そのために教師はTAPの考え方やアドベンチャーの理論を学ぶ研修が必要であり、時間や機会の確保が重要である。③縦割り活動でのTAPは学校行事と関連性を持たせ、活動後のふりかえりをすることで体験学習を意識し、継続的かつ計画的に実践することが重要である。④同僚の教師にもファシリテーションの考え方や役割などを知って欲しいと考えている。⑤ TAPの3つのコンセプトはあまり意識されていないことがわかり、tap・Teachers as professionals については学ぶ機会がなかった。⑥ Teachers as professionals は教師にとって、学級づくり・仲間づくり・チームづくりのために必要な考え方であると認識している。⑦アドベンチャーの理論は、教師として根本的に大切であると認識しており、学級経営等に活かすことができる。③TAPでの課題解決型の活動は児童生徒の成長のためには有効であると両教師ともに認識している。⑨ TAPの最重要課題は、ファシリテーターの養成であり、TAPセンターはこの要望に応えつつ、幼小中高まで、の系統的なカリキュラム・縦割りでのプログラム開発・対象者の特性やニーズに合わせたプログラム開発・現職教師との定期的な会議などを実施することが望まれている。
抄録全体を表示