2018 年 21 巻 p. 89-107
本研究では,中学生版学校生活適応感尺度を作成することを第一の目的とした。また,中学生に対するSSTによるソーシャルスキル,学校生活適応感,自尊感情および学校生活享受感情の変化の検討を第二の目的とした。研究1では,中学生242名を対象に質問紙調査を実施し, 11項目2下位尺度の中学生版学校生活適応感尺度を作成した。そして,ソーシャルスキルと学校生活適応感および自尊感情の影響関係を検討した。その結果,ソーシャルスキルを高めることは,学校生活適応感における「学習・進路」「心理社会・健康」両側面の向上につながり,自尊感情を高めることが明らかになった。研究2では, SSTの介入有群と介入無群に分けて分析を行った。介入有群の生徒を対象に,各下位尺度得点の高群と低群に分けて2要因の分散分析を行った。その結果, SST実施前の得点が低かった生徒に効果が見られ, r集団活動スキル」と「同輩とのコミュニケーションスキル」が向上することが明らかになった。