抄録
本研究は,特別活動でOECD準拠型コンピテンシーを育成するための,指導方法の開発に関する研究である。The OECD Learning Compass 2030(OECD, 2019a)と,学級活動との対応に着目して研究を推進した。東京都内の公立小学校第4学年の3学級で,指導方法上の工夫としてThink-Pair-Shareを導入した学級,One-minute paperを導入した学級,通常通りの授業を実施した学級の比較を行った。その結果,Think-Pair-Shareを導入した学級で,思考・判断・表現についての観点の人間関係形成や,自己実現について増加傾向があった。One-minute paperを導入した学級で,思考・判断・表現についての観点で,社会参画について減少傾向があった。児童の自由記述や,教師に授業動画をみていただき振り返りインタビューを実施した結果などから,解釈を行った。