抄録
本実践は,自画撮り被害に焦点化した情報モラル教育を中学校全体に行い,自画撮り被害の予防に対する教育効果を明らかにした。SNS等のメリットとデメリット,自画撮りのトラブルと被害事例,予防と対策といった内容で行った。その結果,講演内容の理解度と積極的な参加は3年生,SNSの理解度は3年生女子,講演内容の理解度と積極的な参加は2年生女子が高かった。さらに,自画撮り被害で大事にしたい単語は,授業内容で取り上げたことに関連付けられ,「位置(情報)」は学年進行とともに,「友達」は全学年の女子であげられた。今後気を付けたいことは学年・性別に差はなく,授業内容のポイントがおさえられていた。本実践は,中学生に適切な内容であるが,特に,3年生と2・3年生女子に高い効果が期待できることが示唆された。