教育実践学研究
Online ISSN : 2436-0945
Print ISSN : 1880-2621
透明骨格標本の作製を通じた協働的探究活動
西川 洋史
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 24 巻 p. 62-70

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抄録

透明骨格標本の作製では,骨格染色後に筋肉を透明化するため,微細な骨やそれらの立体配置は適切に保存される。特に小型魚は全身の骨格を観察が可能なので,骨の役割を学習するのに適している。現在,理科教材会社より透明骨格標本や標本作製キットを入手することが可能であり,授業での活用も広がっていることが伺える。しかし,透明骨格標本は高価であり生徒一人一人が観察をする分を準備することは難しい。標本の透明化にはタンパク質や脂質除去が重要である。本論では,食器用洗剤への長時間浸漬による透明化を試み,脊椎骨の観察が可能なレベルまで透明化するものを見出したのでこれを報告する。また,本実践では,生徒ごとに異なる実験条件に取り組ませ,その結果を互いに評価しあい,考察をさせた。この実践プロセスから,多数の仮説設定を生徒あるいはグループごとに分担させ,それを持ち寄って結論を導くという協働型探究学習を提案する。

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