教育実践学研究
Online ISSN : 2436-0945
Print ISSN : 1880-2621
漢字熟語の読みを学習しやすくする要因
―「訓読み・音読み」と「高親密語・低親密語」―
関口洋美阿子島茂美吉村浩一漆澤恭子遊佐規子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 25 巻 p. 1-11

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抄録
本研究は,児童を対象に漢字二字で構成される熟語の読みを学習しやすくする要因について明らかにすることを目的とした。そこで,読みの組み合わせ(訓訓読みと音音読み),単語としてなじみがあるまたは知っているかどうか(なじみのある高親密熟語とあまりなじみのない低親密熟語),学習効果(2 巡目の正解率)及び学年(低学年・中学年・高学年)に関連させ 5 つの仮説を立てて実験を行った。その結果,音音読みよりも訓訓読みの方が成績は良く学習効果が高いという仮説,低親密熟語よりも高親密熟語の方が成績が良く,学習効果は低親密熟語の方が高いという仮説は部分的な支持にとどまった。学年による大きな違いは見いだせなかったが,学年が進むにつれ熟語の読みの成績における個人差が減少していくことが分かった。本結果から,低親密熟語においては訓訓読みの熟語の方が成績及び学習効果が高く,それは低学年から高学年まで一貫していることが明らかとなった。
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© 2022 教育実践学会
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