図画工作科・美術科の教育について、評価・評定の方法がどうなっているのかわからないという疑問が、多く寄せられている。 近年の、地方分権的教育の流れと新しい学力観に立つ評価方法として、観点別評価やその評価規準によって、いいかげんな評定はできない形になっているものの、図工・美術科に対する評価方法への疑問は、評価を評定に置き換えるときのプロセスが不明確であることに起因している。いくらすばらしい観点を設定しても、それを評定の数字に置き換えるときに、そのプロセスが学習者に見えなければ信頼は得られない。そこで、学習者が納得するような評定システムを模索した。その一例として、イメージ設定教材の性質分析とその教材効果の再検討を行い、具体的な授業例を示しながらその評価システムを提案している。さらにその際に、評価の視点(観点・規準)にしてはいけない要素についても言及している。