杏林医学会雑誌
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閉塞性末梢血管病変に対する 29 症例の治療経験
塚越 茂馬原 文彦石橋 修越川 雅宏豊田 道明中江 純夫池田 晃治
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1979 年 10 巻 2 号 p. 189-195

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抄録

末梢血管閉塞性疾患は近年増加の傾向にある。しかるにその治療に関してはまだ十分な検討がなされているとは言えない。今回は過去約3年間に治療を行った29例の急性動静脈閉塞性疾患について検討を加えると共に, われわれの教室におけるこれら疾患に対する治療方針について論じた。1) 急性動静脈閉塞症に対しては, Fogartyカテーテルによる血栓閉栓除去術を行ないしかる後にウロキナーゼを主体とする後療法を加えた。2) 急性静脈閉塞症に対しては, 下腿以下の血栓性静脈炎は主として保存的療法を行なった。大腿の深部静脈に及ぶ静脈血栓症は保存的療法のみでは十分でなく, 早期症例は積極的にFogartyカテーテルによる血栓除去術を行なうべきである。3) 術後のウロキナーゼと低分子デキストランからなる線溶療法は残存血栓の溶解に有用であった。

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© 1979 杏林医学会
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