杏林医学会雑誌
Online ISSN : 1349-886X
Print ISSN : 0368-5829
ISSN-L : 0368-5829
膵癌および肝細胞癌の進展度と白血球粘着阻止指数との関係について
近藤 一
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 12 巻 2 号 p. 103-112

詳細
抄録
膵癌20例および肝細胞癌13例について手術時または剖検時所見から各症例の肉眼的進展度(stage)を調べ, そのstageと各症例の白血球粘着阻止指数(LAI Index)との関係を検討した。20例の膵癌患者は全例がstage IVであり, stageとLAI Indexとの関係はみいだせなかった。主病巣の腫瘍径ならびにリンパ節転移, 膵被膜浸潤および肝転移とLAI Indexとの間には有意な関係はみいだせなかった。しかし, 体尾部癌では腹膜播種性転移の程度が大きい程LAI Indexの値は高値を示す傾向があった。一方, 13例の肝細胞癌患者のうちstage Iは3例, stage IIIは10例であり, LAI Indexに関しては2つのstageの間には有意の差はみられなかった。LAI試験実施日から死亡までの生存日数とLAI Indexとの間には有意な相関はなかった。
著者関連情報
© 1981 杏林医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top