抄録
膵癌20例および肝細胞癌13例について手術時または剖検時所見から各症例の肉眼的進展度(stage)を調べ, そのstageと各症例の白血球粘着阻止指数(LAI Index)との関係を検討した。20例の膵癌患者は全例がstage IVであり, stageとLAI Indexとの関係はみいだせなかった。主病巣の腫瘍径ならびにリンパ節転移, 膵被膜浸潤および肝転移とLAI Indexとの間には有意な関係はみいだせなかった。しかし, 体尾部癌では腹膜播種性転移の程度が大きい程LAI Indexの値は高値を示す傾向があった。一方, 13例の肝細胞癌患者のうちstage Iは3例, stage IIIは10例であり, LAI Indexに関しては2つのstageの間には有意の差はみられなかった。LAI試験実施日から死亡までの生存日数とLAI Indexとの間には有意な相関はなかった。