杏林医学会雑誌
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本学附属病院新生児未熟児集中治療室 (NICU) について(その 2)
松田 博雄長谷川 廉広沢 浩矢島 晴美
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1986 年 17 巻 4 号 p. 585-589

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抄録

当院NICUにおける極小未熟児の栄養法と呼吸管理の基本方針について述べた。生後3-4週間は完全母乳栄養とし, その後児の状態が安定していれば未熟児用人工乳を交互に用いる。生後3週頃から総合ビタミン剤(ポポンS)を添加し, 活性型ビタミンD, ビタミンEはルーチンには投与しない。体重が2kg前後になったら鉄剤を投与する。栄養輸液は積極的には行わない。在胎34週未満または極小未熟児には全員に心拍, 呼吸モニターをつけ, 無呼吸発作の発見に努める。原発性無呼吸発作にはネオフィリンを用いる。持続陽圧呼吸法は, Pa-CO_2が60mmHg以上のとき, 機械的人工換気は, 無呼吸または100%酸素下でPaCO_2が50mmHg以下またはPaCO_2が60mmHg以上のとき適応とする。酸素投与に際しては十分に加温, 加湿し, 必ず経皮的または血液ガスにて動脈血酸素分圧をモニターする。

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© 1986 杏林医学会
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