杏林医学会雑誌
Online ISSN : 1349-886X
Print ISSN : 0368-5829
ISSN-L : 0368-5829
体インピーダンスの月経周期,卵胞発育,女性妊孕性に占める意義とその内分泌制御に関する研究
星合 敏久
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 32 巻 4 号 p. 387-395

詳細
抄録

自然月経周期における上肢間の体impedance (IMP)は排卵数日前より低下し,排卵日から黄体期に低値であった。血清E_2/P比はIMPの推移に類似して変化し,卵胞期初期と排卵期の雨期で有意な相関を示した。体外受精治療周期における高温4日体IMP (L4-IMP),年齢,低温3日血清FSH値,身長, BMIの5因子と妊娠の成否との相関をstepwise multiple logistic regression analysisで解析すると, L4-IMPのみが有意に相関した.妊娠率は, L4-IMP≧600Ωのとき44%で, basal FSH,年齢に係らず常に高く, <600Ωのときは26%で, basal FSH,年齢の増加とともに低下した。非妊娠予測の感度は, L4-IMP (0.52)が年齢(0.39), basal FSH (0.046)より有意に高かった。L4-IMPは年齢,basal FSHよりより良く妊孕性を反映することが示された。IMP測定は簡単,迅速,無浸襲,安価であるため,集団検診にも適しており,不妊治療費の削減に貢献する可能があると考える。

著者関連情報
© 2001 杏林医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top