杏林医学会雑誌
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特集「公認心理師」
精神科以外の医療分野における期待
中島 亨
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2020 年 51 巻 1 号 p. 31-33

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抄録

公認心理師は将来,精神科以外の多くの診療科で患者さんへの関与が期待される。すでに多くの慢性疾患のガイドラインにおいて,心理教育(患者教育と記載されているものも多い)について言及され,心理的アプローチが有効な疾患ではメタアナリシスが行われた上,その推奨度が記述されている。ここでは,一般的な疾患について,心理専門職がどのような状態に関与できるかについて記述した。依存に関連する病態,自動制御が失われた病態,疼痛/切迫状態の支援,アドヒアランスをはじめとする行動継続への支援,心理教育,遺伝カウンセリング,チームアプローチについて触れ,精神科以外においても様々な分野ですでに心理専門職の必要性が謳われ始めている現状も記述した。現在のところ,診療報酬の中で心理専門職が明文化されているものは少ないが,前述のように精神疾患以外の疾患のガイドライン中にはすでに心理専門職が行うであろう内容が記述されており,今後心理専門職─公認心理師の活躍が期待される。

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