杏林医学会雑誌
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特集「公認心理師」
教育分野における連携・協働と個人面接との関係を「見える化」する継時的エコマップの活用と提唱
村部 妙美
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2020 年 51 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

公認心理師の関わる教育分野,特に高等教育における「大学教育の一環としての学生相談」の充実が図られ,連携・協働が重要であるとの考え方が主流となっている。しかし個別面接と連携・協働の両立をはかることは,多くの留意点が必要である。
力動的精神療法等の個別面接とシステムズ・アプローチを用いた連携・協働のあり方を踏まえ,より充実した支援を行うための方策を検討した。システムズ・アプローチの理論であるエコマップの概念を導入し,システムを視覚的に「見える化」することが有効であると考える。更にカウンセラーの支援計画や継続面接の経過の整理・検討,大学内外の各機関への働きかけをする際のアセスメント手法として,時間的概念を取り入れた「継時的エコマップ」を提唱し,架空事例を用いて活用のルールと留意点等を論じた。また,個別面接と大学コミュニティの持つ「環境の持つ育てる力」を有効活用できることが学生相談独自の利点であると考える。

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