杏林医学会雑誌
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Saccharomyces cerevisiae の Fumarate Reductase と嫌好気転換について
後藤 光與手塚 敏春松倉 由美子勝目 卓朗
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1977 年 8 巻 1 号 p. 3-10

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抄録

嫌気的条件で育てたSaccharomyces cerevisiae中にfumarate reductaseが存在するが, 勇気を行なつた場合, 最初の1時間までは活性が増大するが, その後, 減少する。この酵素は電気泳動でprealbuminとα_2-β fractionに一致する2つのisozymeに分れる。prealbumin fractionに一致するものは勇気を行なうと直ちに減少するが, α_2-β fractionのものは, 最初の一時間まで著しく増大した後減少する。この嫌気的fumarate reductaseは, 99, 980×g遠心の上清に強い活性を示すが, 32, 650×g遠心上清にも多く存在する。succinate dehydrogenase活性は通気の初期には低いが, 6時間目からreductase活性とは逆に増大する。また, そのdehydrogenase活性は99, 980×g遠心上清にも存在する。嫌気培養実験で, 少量のブドー糖が存在すると, fumarateを基質とする方がsuccinateを基質とするよりも菌の発育がよい。

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© 1977 杏林医学会
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