杏林医学会雑誌
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両側性先天性膝蓋骨脱臼の1例
田島 渉河路 渡太田 信夫
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1978 年 9 巻 3 号 p. 219-223

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抄録

いわゆる膝蓋骨脱臼は欧米では歴史的にも古く症例数も比較的多いようであるが,わが国ではまれで報告例は少ない。最近われわれは両側性先天性恒久性膝蓋骨脱臼の1例を経験したので多少の文献的考察を加えて報告する。症例は遺伝的家族的に脱臼素因を認めない9歳の女児で,ころびやすい,膝の形がおかしい,膝が伸びない等を主訴として来院した。検討の結果,右膝に対してHauser法とKrogius法との併用にて手術を施行した。術後,経過順調で走ること等も可能になり母親も満足している。左膝に対しても今後同様の手術を行なう予定である。

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© 1978 杏林医学会
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