教育哲学研究
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フィヒテの国民教育論に対するヘルバルトの批判について
原 聡介
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1971 年 1971 巻 24 号 p. 27-42

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抄録

ヘルバルトが、特にフィヒテをやり玉にあげながら、そのIdealismusに対するRealismusを自己の理論的立場として明確化しようとしたことは周知のことである。そのことをもっともよく示すのはフィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』 (1806-7) の批判としての『教育学とIdealismusとの関係について』 (1831-2) であるが、その他若干の作品を参考にして、ここでは、フィヒテの国民教育論にもひとつの解釈を与えながら、ヘルバルトの教育学のRealismusのありかたに立ち入ってみたい。そして、そのことを通じて、一般に近代教育思想におけるIdealismusとRealismusとの関係づけについて、若干の手がかりを得たいと思う。

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