1974 年 1974 巻 29 号 p. 54-60
「諸科学の教育科学への寄与」という多面的かつ総合的なテーマを掲げて開催された国際教育研究推進協会International association for the advancement of educational researchパリ会議 (一九七三・九・三~七) は、大半の参加者が仏語圏研究者であった理由から、現代フランス教育学研究の動向を知るにも好個の機会であった。フランスの教育学研究については以前よりその傾向の益々科学的なることに注目していたが、ここでその判断を再確認すると共に、其の後の見聞を通して一つの概観を得たように思われるので、教育哲学研究の今後のあり方を考えるという意味を含めて、ここに総括してみたい。