解釈学はもと文献の解釈技術から出発し、十九世紀初頭においてシュライエルマッヘルなどにおいて大きく開花し、さらにディルタイによって精神諸科学の基礎理論として一般化され、大きな影響力を及ぼした。現在ではボルノウやガダマーの尽力によって、哲学的解釈学ないし解釈学的哲学にまで発展してきている。そこからまた、教育学においては「解釈学的教育学」 (hermeneutische paädagogik) が言われている。
解釈学的方法は、具体的にはたとえば、
一、理解できないテクストの個所を全体との関連で理解する。
一、個々の言明に、それとパラレルな個所の他の言明を引き寄せる。
一、中途半端な思想を、原著者を越えて解釈者の努力で考え抜き、そこから原著者の意図をよりよく理解する。
一、歴史的事情を取り込む。伝記的、心理学的、社会学的視点を考慮する。
などが挙げられるが、ここでは本テーマとかかわって、特に次の三点を取り上げて論じることにしたい。
I 史的=体系的アプローチ
II Besser-Verstehen(よりよく理解すること)
III トポス論的アプローチ