東京医科歯科大学教養部研究紀要
Online ISSN : 2433-359X
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難民を対象とした日本語教育実践者の自己形成・成長過程における自己内対話 Auto-TEM分析結果を基にした「対話的自己」による考察
伴野 崇生
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2023 年 2023 巻 53 号 p. 95-112

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抄録

難民を対象とした日本語教育実践については、現状、NPOやボランティアの努力に過度に依存している状況にあり、人材育成のための環境が十分に整備されているとは言い難い。本研究では、筆者自身の自己形成・成長過程について、特に内面の変化に焦点化して分析・考察を行った。またそれにより、難民を対象とした日本語教育の実践者の変容過程を事例としてまとめ、今後民間セクターで難民を対象とした日本語教育に関わろうとする人々の参考材料として示すことを目指した。分析手法としては「対話的自己」(ハーマンス&ケンペン1993=2006)を用いた。七つの時期を経て、様々な外部ポジション「◯◯から見た自分」と内部ポジション「ボランティアとしての自分」「難民を対象とした教育実践者としての自分」「大学教員・研究者としての自分」との間の自己内対話を通じて、筆者自身の中の様々な声が矛盾なくまとめられていったことで「「専門家」としての自分」という統合された新たな内部ポジションを得ることができたことが確認された。

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