九州病害虫研究会報
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虫害
大分県におけるイチョウの害虫イチョウヒゲビロウドカミキリの発生と Beauveria brongniartii の殺虫効果
玉嶋 勝範加藤 徳弘吉松 英明小野 元治岡本 潤宮崎 英一郎岡崎 真一郎
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2009 年 55 巻 p. 156-161

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抄録

イチョウの害虫であるイチョウヒゲビロウドカミキリについて,イチョウの被害地域調査,成虫の発生調査法,果樹類で登録のある Beauveria brongniartii 剤の本虫に対する効果的な使用方法を検討した。大分県の本種によるイチョウの被害地域調査で,1991年報告の28市町村から新たに21市町村(旧市町村)を確認した。成虫は日中枯れた枝葉で静止していることが判明したことから,簡易な成虫の発生調査法として枯れ枝葉トラップを考案した。B. brongniartii 剤上に本種の成虫を 1回歩行させた後,20℃で飼育した結果,接種8~14日後に高率に感染・死亡することが判明した。ギンナン園において B. brongniartii 剤をイチョウのすべての主幹部(地上0.5~1.5m)に設置することによって,殺虫効果が認められた。

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© 2009 九州病害虫研究会
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