九州病害虫研究会報
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虫害
宮崎県で初確認されたモトジロアザミウマに対する薬剤の殺虫効果 およびスワルスキーカブリダニの捕食量
日高 春美松浦 明森下 勝
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2015 年 61 巻 p. 57-61

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抄録
2014年に宮崎県の施設ピーマンでモトジロアザミウマが初確認された。今後の再発生時の防除対策に活かすため,本種に対する各薬剤の殺虫効果とスワルスキーカブリダニの補食量を調査した。成幼虫ともに補正死虫率が約90%以上だった薬剤は,メソミル,ニテンピラム,スピネトラム,スピノサド,アバメクチン,エマメクチン安息香酸塩,クロルフェナピル,トルフェンピラドの8剤であった。また,幼虫対象の薬剤ではスピロテトラマト,フルフェノクスロンおよびルフェヌロンの死虫率が97.2~100%と高かった。ニテンピラム,スピノサド,エマメクチン安息香酸塩のLC50値は,各37.1ppm,1.0ppm,1.5ppm であり,ニテンピラムのLC50値が高いことから今後の薬剤抵抗性の発達が懸念される。また,モトジロアザミウマ1齢幼虫は,スワルスキーカブリダニ雌成虫1頭に2.8±1.0頭/ 日捕食され,ミナミキイロアザミウマの7.2±1.9頭/ 日よりも有意に少なかった。
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© 2015 九州病害虫研究会
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