2020 年 66 巻 p. 33-39
福岡県のトルコギキョウ産地において,立枯症状が多発しているが,その原因となるフザリウム属菌は未同定であり,菌種の分布などの実態は明らかとはなっていない。そこで本研究では,2018年秋から2020年春に,県内の産地33地点から立枯症状を示したトルコギキョウ42品種を採取し,駒田培地および Fo-G2培地を使用して菌の分離を行い,塩基配列による相同性検索,性状調査を行った。その結果,各地のほ場から立枯病菌として報告のある Fusarium oxysporum,F. solani が検出された。以上のことから,福岡県内のトルコギキョウ生産ほ場では,F. oxysporum および F. solani が広く分布していることが明らかとなった。