九州病害虫研究会報
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イネウイルス病の感染時期について
吉岡 恒永野 道昭中須賀 孝正
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1965 年 11 巻 p. 1-3

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抄録

1.播種より幼穂形成期までイネをカンレイシヤでおおい,その間の1半旬だけ露出させ,殺虫剤を散布して再びおおうことによりウイルスの感染時期を知ろうとした。
2.1964年のしまはがれ病は早期では初発が5月5半旬終頃にみられた。感染率は5月5半旬が最高で平均気温も22.3℃ときわだって高かった。次いで6月1半旬が高かったがヒメトビウンカの棲息数は5月6半旬が最高であった。普通期では苗代で初発がみられたが,本田で感染率の高かったのは7月3半旬と6半旬で平均気温も3半旬が27.9℃でとくに高かった。
3.いしゆく病は早期では初発が5月3半旬終頃にみられた。感染率は苗代~本田初期と5月6半旬が高く,ツマグロヨコバイの棲息数とほぼ平行していた。普通期では苗代で初発がみられ苗代~本田初期の感染が多く,7月3半旬と5~6半旬も感染率が高かったが,これも棲息数や気温と平行しているようであった。
4.おうい病は早期・普通期とも7月1半旬終に初発がみられ,早期では苗代~本田初期と6月2半旬の感染率が高いようであったが,普通期では把握できなかった。
5.以上よりみれば媒介虫数とともに高温が感染率をたかめたようであった。

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