九州病害虫研究会報
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麦赤かび病の防除に関する研究 第5報 薬剤の散布時期
新留 伊俊永野 邦弘脇 慶三
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1965 年 11 巻 p. 30-31

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抄録

薬剤の散布時期を把握しようとして行なった3ヵ年の試験の結果をとりまとめて考察した結果,本病の発生は,麦の感受性にもよることながら天候に大きく左右されることが認められ,ことに気温,雨,湿度日照量が関与することが明らかとなった。そこで散布時期は,麦の生育期と天気予報によって決めるとよいが,予報が適中しないことの多い現状では,実際に天候を観測して多発生のおそれのある場合直ちに散布するしかない。散布回数は別に行なった試験の結果麦作の経済性からみてせいぜい2回ぐらいと考えられる。
そこで具体的には,出穂期の天候をみて3日以上雨が続く場合は散布し,その後は出穂期から10日および20日間の天候を観測して,平均気温降雨日数湿度,日照時間がそれぞれ15℃以上,5日以上,80%以上,40h以下および15℃以上,10日以上,80%以上,80h以下の場台直ちに散布する。

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