九州病害虫研究会報
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薬剤の組み合わせがミカン園の主要病害虫の発生に及ぼす影響と防除経費
山本 滋上村 道雄高木 伸友竹内 秀治磯田 隆晴
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1965 年 11 巻 p. 66-68

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抄録

1.ミカン主要病害虫の寄生密度に応じた薬剤の組み合せ散布試験を2年間実施し,防除効果と防除経費との関係を検討して次の結果をえた。
2.黒点病の防除は,伝染源の多少にもよるが,銅水銀水和剤を使用する場合,新葉に対しては発芽前の防除,また果実に対しては少なくとも開花,落花期には散布する必要がある。
3.ヤノネカイガラムシの寄生している園では,寄生密度にもよるが最低1.2世代にそれぞれ1回は薬剤散布をしなければ密度低減の効果が期待できない。
4.黒点病の発病が多い園では,3,000~5,000円の経費である程度まで発病を防ぐことはできる。
5.ヤノネカイガラムシ寄生園では年間1,000円程度の防除経費では防除効果を上げることができない。

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