九州病害虫研究会報
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直播水稲のウイルス病防除する研究 第2報 土壤施薬法によるツマグロヨコバイ, ヒメトビウンカの殺虫効果試験
豊田 久蔵吉村 清一郎
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1966 年 12 巻 p. 21-25

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抄録
ウイルス媒介虫の防除を目的とし,マラソンに対する感受性の高い筑紫野町産のヒメトビウンカ,ツマグロヨコバイを用いて,直播水稲の発芽時に数種の粒剤を土壌面施用し殺虫効果をみた。その結果,ヒメトビウンカに対しては,施薬11日後の処理でダイシストン5%粒剤が最も効果がすぐれ,24時間後では製品量300g/a以上ではいずれも100%の致死率を示し,LT50の値は450g/aで6時間,600g/aでは5.5時間程度であった。
次いで4027も効果的で,ダイシストンとほとんど差がなかった。
これに次ぐのはダイアジノンで,S-12927Aも効果的であるが,有効成分はS-12927であると推定される。
これらと比較するとダイシストン・BHCは若干効力が劣る。さらにS-12927B,GS-13005はかなり劣った。
同一薬剤の施薬量間の比較においては,6時間後の調査では施薬量に比例して速効的であるが,12時間後ではその差は僅少となった。
一方,ツマグロヨコバイに対しては,施薬13日後でS-12927Aの効果はとび抜けてすぐれ,しかも速効的であった。ついでS-12927Bもすぐれた。この両剤の有効成分はS-12927であると考えられる。
この両剤に比較すると他はかなり劣る結果となったが,その中ではGS-13005,ダイシストン,4027が効果的であった。
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