抄録
自然条件下で産卵された,ニカメイチュウ第2世代幼虫の生息部位を知ると同時に,将来第1回成虫の発生予察に結びつける目的で,穂揃期を迎えた金作糯の白穂茎を地際より採集し,稈長を測ったのち分解して,被害部位および食害範囲等について令別に調査した。
穂揃期の白穂の原因をなすニカメイチュウは,第3令幼虫および第2令幼虫が主体であり,その見掛けの生息部位は,地際より50~60cmの位置で,60%以上の幼虫が第1節間に生息していた。これらの事実は,2,3令幼虫の主幹に対する食入が,一般に高い位置で行なわれたことを物語っているように思われる。また本格的な分散下降は,第4令幼虫に入ってからのようである。