抄録
マイマイガ幼虫の飼料条件がカイコ細胞質多角体病ウイルス感受性に及ぼす影響を調べた。その結果,マイマイガ幼虫はウイルス接種前接種中および接種後にクヌギのみで飼育した場合にもっとも発病が少なく,ノイバラのみで飼育した区はやや発病が多かった。しかし,発病の多少には接種後の食餌植物の影響が大きく,それはサクラ>ノイバラ>クヌギの順であり,さらにウイルスの潜伏期間の長短も同様の影響をうけた。このような傾向はカイコ細胞質多角体病ウイルスとして6角型の多角体を形成する系統を用いた場合のみならず,4角型の多角体を形威する系統を用いた場合にもみうけられた。