鹿児島県内6地点におけるハスモンヨトウの季節的消長を,フェロモントラップを用い調査した。その結果,各地点とも初期より誘殺を認め,誘殺数は従来のトラップに比べ著しく多く,とくに大隅半島畑地帯の鹿屋市,串良町において顕著であった。
以上のことから,フェロモントラップは他の方法に比較して誘殺数が多く,地域的,季節的消長の把握が容易であり,今後データのつみ重ねによって,ハスモンヨトウ予察面での利用性が高いと考えられる。
鹿児島市,阿久根市では,日別誘殺数と気象要因(気温,風速)との関係について述べた。
今後の問題点として,フェロモントラップ誘殺数とほ場密度との関係,より効率的なトラップの開発,並びに設置方法などがあげられる。