九州病害虫研究会報
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半合成飼料によるイモコガの飼育実験
大内 義久
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1976 年 22 巻 p. 148-152

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抄録

1.コカクモンハマキ用の半合成飼料を改変して,イモコガ幼虫を飼育しようとして失敗した。その原因として防腐剤とくに4N-HC1,市販のキナコを用いたこと,およびエビオスをビタミン源として添加したことが考えられた。
2.そこで,これらの原因を考慮して,新しく飼料を合成し,飼育を試みた。この半合成飼料で幼虫の発育は著しくおくれたが,60%前後の個体が蛹化した。しかし,蛹重は著しく軽く,蛹期間中にほとんど死亡し,累代飼育できなかった。
3.防腐剤としてのホルマリンの所定量の添加は,飼育結果に著しい影響は与えなかった。
4.飼育幼虫の一定期間の生存率を高めるために,カゼイン,各種無機塩混合物,ろ紙粉末の添加効果および,飼料のpHの修正効果について検討した。飼料のpHを修正すると生存率にかなり影響があることがわかった。

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