九州病害虫研究会報
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ミカンハモグリガの生態と防除に関する研究 第5報 初期被害の実態について
山本 栄一
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1976 年 22 巻 p. 67-69

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抄録

1) ミカンハモグリガの春葉上の初期被害の実態について,過去10年間調査した。
2) 被害の初発見は3月下旬~4月上旬に,発芽の早いオレンジ,早生温州の新芽上であり,初発見日と発芽時期との間に高い相関が認められた。
3) 第1世代幼虫による被害は,成虫の越冬場所周辺の発芽の早いカンキツが主体で,第2世代幼虫になると,その被害範囲は著しく拡大し,被害率も増大した。
4) 被害部位は,第1,第2世代幼虫ともに春枝を加害し,主として第1世代虫による被害は春枝の基部葉に,第2世代虫による被害は先端部に多い傾向がみられた。
5) 被害の年次変動を1966年以降でみると,温州ミカンでは第2世代虫による被害は,第1世代虫による被害を上回った。年次的には第1世代虫が1970年まで,第2世代虫が1972年まで比較的高い被害率を示し,以後,減少した。

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