九州病害虫研究会報
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Rhizoctonia solani kühnの培養III B (イグサ紋枯病系) の完全時代の形成について
鬼木 正臣
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1977 年 23 巻 p. 17-22

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抄録

1. Rhizoctonia solani Kühnの培養型IIIB(イグサ紋枯病系)の完全時代を土壌法により形成させ,小柄の長さ,担子柄および担子胞子の大きさを測定した。また,完全時代の形成条件の温度と土壌の種類について,若干の実験を行った。
2. イグサ,イネ,雑草,土壌から分離した61菌株のうち18菌株が完全時代を形成した。
3. 担子柄はたる形~倒卵形で,大きさは皿B型全体で9.66~21.59×7.20~13.36μmの範囲にあった。
4. 小柄は角状で,その数は1担子柄当り2~5本のものが観察されたが,4本のものが一般的であった。長さは皿B型全体で3.03~20.82μmの範囲にあった。
5. 担子胞子は倒卵形~だ円形で,大きさは皿B型全体で6.17~12.85×4.63~8.22μmの範囲にあった。
6. 土壌法による完全時代形成の材料として,八丁牟田心土は西ケ原心土と同様に良好であった。
7. 完全時代の形成には,土をセットしてから日平均気温20C以上の条件が必要であり,日平均気温24Cで完全時代の形成が極めて良好であった。

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