キウイフルーツは収穫後一定期間追熟するが,その間に発生する腐敗果実について,種類と症状の検討ならびに病原菌の分離を行った。その結果,立木中の早期落果する腐敗を含め5種類の発生症状を認め,病原菌の分離から, Botryosphaeriasp.,Phomnopsis sp.,Botritis sp.の3種類の菌による腐敗を確認した。その中で,最も発生が多いのはBotryosphaeria sp.菌による腐敗で,全体の9割以上をしめていた。
本病対策のため薬剤試験を行ったが,チオファネートメチル剤,ホセチル混合剤で効果が認められたものの,10回散布でも50%以上が腐敗した。果実軟腐症は出荷時
に腐敗しているかどうか,外観からわかりにくいことから,完全防除が望まれ,今後はさらに的確な総合防除対策について検討する必要がある。