九州病害虫研究会報
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九州農試内の飼料用トウモロコシ及び周辺イネ科植物に発生したサトウキビモザイクウイルスの系統について
井上 興花田 薫宮川 久義館野 宏司中田 榮一郎
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1995 年 41 巻 p. 7-10

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抄録

1.1994年7月,九州農業試験場内圃場(熊本県西合志町)及び周辺雑地においてモザイク症状を呈しているイネ科植物を採集し病原ウイルスを調査した。
2.採取したトウモロコシ,メヒシバ,ジョンソングラス,ダリスグラス,チカラシバ,チガヤ,セタリア属,バミューダグラス,ベージーグラスから得られたウイルスはウイルス粒子の形態やトウモロコシに対する病原性などからScMVあるいはそれに近縁なウイルスであると考えられた。
3,直接ELISA法及びウエスタンブロット法の結果から,既報のメヒシバに加え,ダリスグラス,チカラシバ,セタリア属,ベージーグラスから得られたScMVはトウモロコシのScMV-YBと非常に近縁なウイルスと考えられ,これらの植物がトウモロコシに感染するScMVの伝染源であることが示唆された。

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