九州病害虫研究会報
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鹿児島県東串良町で問題となったキバナハウチワマメ栽培地の裸地化要因
福永 求西岡 稔彦田中 章
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2002 年 48 巻 p. 37-41

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抄録

1.鹿児島県東串良町の柏原海岸において,1994年頃から発生しているキバナハウチワマメ栽培地の裸地化の原因を調査した。
2.裸地化の一要因として,海岸の松林に生息するウサギおよびカラスの食害が明らかになった。特に,ウサギの影響は大きいと考えられた。
3.一方,食害が認められないにも関わらず,発芽後~本葉が数枚展開する頃に生育不良となり,地際茎部が褐変して枯死し,裸地化する場合があることも判明した。
4.栽培土壌のpH,EC,NH4-N,NO3-Nおよび線虫相を調査した結果,異常値は認められなかったことから,塩害ならびに土壌線虫は裸地化の要因ではないと考えられた。
5.クロルピクリンくん蒸剤による土壌消毒および各種殺菌剤の灌注処理でも,裸地化を抑制できなかった。
6.キバナハウチワマメの栽培管理と生育良否の関係を調査した結果,土作りを含めた栽培管理の不備が,裸地化の一要因であることが考えられた。

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