九州病害虫研究会報
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ソリダゴさび病(新称)の発生
尾松 直志鳥越 博明
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2002 年 48 巻 p. 42-45

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抄録

キク科ソリダゴ属の園芸作物であるソリダゴの葉の表裏,葉柄および茎に,黄色~オレンジ色の紛状物を多数形成するさび症状の病害が発生した。本菌の夏胞子堆は表皮下に発達し,成熟すると表皮を破って夏胞子を放出した。夏胞子は鎖状に形成され,長円形~倒卵形,または洋梨型で表面に多数の突起を有し,成熟した夏胞子は黄色~オレンジ色で,大きさは25-33×18-24μmであった。夏胞子を連鎖状に形成すること,いぼ状の突起を多数有すること,セイタカアワダチソウに病原性を示したことから,本菌を同属のセイタカアワダチソウのさび病菌と同一のColeosporium solidaginis Thum. ex Arth.と同定し.病名をソリダゴさび病(新称)とすることを提案する。本菌の胞子発芽は25℃で最も良好であるが10℃以下および27.5℃以上では不良で,5℃,30℃では全く発芽しなかった。発病は下位葉に多く,初発株から近隣の株に順次拡大した。

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