九州病害虫研究会報
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非親和性がんしゅ病菌のビワ葉への継代接種による病原性の獲得
森田 昭
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2002 年 48 巻 p. 46-50

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抄録

ビワ葉に非親和性のがんしゅ病Aグループ菌3菌株をビワ葉に62~117回継代接種を行うことにより,いずれの非親和性菌もビワ葉に対し病原性を獲得し,葉にえそ状の小型ハロー病斑を形成するようになることが確認された。このとき,非親和性菌の病原性獲得に要する接種回数と枝に対する病原性の強弱とには逆相関がみられた。この変異菌株は葉にえそ状の小型ハロー病斑を形成するが,変異菌株とハロー病斑形成のBグループ菌株とを混合接種すると,同一葉上にそれぞれの病斑を形成した。この変異菌株の枝,芽に対する病原性は原菌株と同じであり,その病原性は病原性獲得6か月後にもみられた。また,変異菌株のファージ反応および細菌学的性質は原菌株と同じであった。

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