九州病害虫研究会報
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長崎県における細菌によるブドウ葉脈腐敗症(仮称)の発生
森田 昭
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2004 年 50 巻 p. 19-22

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抄録

長崎県のブドウ栽培ほ場で'巨峰'を主体に葉脈腐敗の症状が発生していることを確認した。本症状は無加温ハウス栽培で最も発症葉率が高く,露地や加温ハウスではほとんど発生しない。本症状の発症はブドウ'巨峰'の顆粒品質,収量には影響ないと考えられるが,発症葉は健全葉に比べて早期に落葉する。ブドウ'巨峰'の葉脈腐敗症状の部位から乳白色円形コロニーを形成する細菌が分離された。本細菌はブドウ恒峰'の硬化前葉の葉脈への接種で,接種部位に同様な症状を形成する。そこで,本細菌がブドウ'巨峰に葉脈腐敗症状を発症させる原因細菌であると結論した。

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