カンザワハダニを餌とし,25℃,16L8D条件下でのミヤコカブリダニの捕食量,発育期間,産卵数を調査した。また,イチゴのカンザワハダニに対する密度抑制効果について検討した。
カンザワハダニの卵,幼虫,第2若虫に対するミヤコカブリダニ雌成虫の捕食量は餌密度が高くなるにつれ増加し,最大捕食量は卵の場合14.6個/日,幼虫の場合16.6頭/日,第2若虫の場合9.0頭/日であった。雌成虫を餌とした場合は0.8~1.2頭/日を捕食した。また,実験中に産下されたハダニの卵を平均18.6個/日捕食し,雌成虫よりも卵を好んで捕食する傾向にあった。
ミヤコカブリダニの卵期間は2.1±0.3日(平均±標準偏差),幼虫から羽化までの発育期間は3.0±0.3日であった。産卵は羽化後2日目から認められ,産卵開始日から10日間の日平均産卵数は3.3±1,1個であった。
イチゴのカンザワハダニに対して,無加温ビニルハウス内でミヤコカブリダニを放飼した結果,放飼比率5 : 1と10 : 1では3週間,20 : 1と30 : 1では4週間でハダニはほぼ食い尽くされ,高い密度抑制効果が認められた。
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