九州病害虫研究会報
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無人ヘリによるイネウンカ類の防除:大分県における事例
小野 元治山本 千恵柳 真一和田 節
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2007 年 53 巻 p. 33-38

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抄録

2005年に水稲においてトビイロウンカが多発した一因として,無人ヘリ防除の効果不足が指摘された。そこで,無人ヘリによるブプロフェジン剤散布の出穂前後別,散布時期別の落下分散状況,およびウンカ類に対する防除効果を調査した。散布時の薬液の落下分散調査において,草冠部には,いずれの区もほぼ均一に薬液の付着が認められたものの,地際部での付着量は少なかった。散布時期,出穂前後,また,地際部に設置した調査紙の表裏で付着に大きな差異は認められなかった。防除効果では,散布時期,出穂前後によって大きな差異は認められず,いずれも防除効果が認められた。これらの結果から,株元への薬剤の到達に疑問が残るものの,飛行基準である風速3m/s以下を守り,風の穏やかな時間帯に防除を実施すれば,ウンカ類に対する無人ヘリ防除は動力噴霧機等と同等以上の防除効果が得られると考えられる。

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